あなたは大学に進学し、初めて実家を出ることになるかもしれません。運が良ければ、両親が授業に必要なテック製品を揃えてくれるかもしれません。しかし、いつかパソコンの調子がおかしくなったり、壊れたり、時には両方が同時に勃発することもあります。携帯電話のスクリーンにひびが入っていなくても、バッテリーはやがて消耗します。それを自分で修理する方法を知っていたら、限られた大学用の経費を節約できるでしょう。
ここでの良いニュースは、あなたがiFixitを使って自分で修理する方法に関心があることです。さらに良いニュースは、あなたが思っているよりずっと簡単にできるということです。
修理する方法を知って初めて、デバイスが自分のものになります。どこか調子が悪くなったとき、ものが動く仕組みを理解するという基本的な知識があれば、問題を診断できる可能性はぐっと高まります。でも心配はご無用です。ここで勉強しなければならない科目が増えるわけではありません。修理を通して、必要な知識は身に付いていきます。そして今回取り上げる修理は、いつ行うべきかすぐに判断できるものです。
ラップトップのバッテリー交換
バッテリーは消耗して最終的に充電できなくなります。バッテリーの消耗が使用中の携帯電話やラップトップに起こった時、Apple Storeや一般修理テックの店舗まで持っていく必要があります。高額な料金(Appleのサービスを利用する場合、iPhone 13モデルは約1万円)で、さらに不便なことは、自分のデバイスにアクセスできないまま修理から戻ってくるのを待たなければなりません。

iFixitの修理ガイドは、画像や作業のヒント、推奨する工具を含む手順ごとにまとめられたインストラクションの総合ライブラリです。そして特定の携帯電話やコンピュータのモデルを検索でき、どのような手順か確認することができます。あるラップトップでは数本のネジを外すだけでバッテリー交換ができるものもあります。
一方でMacBookのように、デバイスを開けるのが難しく、重要な部品がハンダ付けか接着剤で固定されているものもあります。幸いなことに(最近の)AppleのPCは、バッテリーの交換が比較的簡単で、店頭での修理が早く済むかもしれません。
バッテリーの交換は、前もって作業を計画することができるので、初心者には最適なスタータープロジェクトです。バッテリーが以前のように充電が持たないことに気づき始めたら、交換用バッテリーや作業に必要な工具を準備しましょう。
例えば、iFixitで公開しているM1 MacBook Airのバッテリーの交換ガイドは、中レベル程度の難易度と評価されています。そしてページ左側に必要な工具の一覧が表示されます。下部ケースを外すためにペンタローブドライバーとトルクスドライバーが2本必要です。しかし心配いりません。これらのドライバーはツールキットとして販売されており、1本のドライバーハンドルに先端のビットを交換するだけです。交換用バッテリーを注文する際、ベーシックで品質の良い修理キットを手に入れましょう。
また、MacBook Fix Kitもおすすめです。これには交換用パーツと必要な工具がすべて含まれています。また、携帯電話用の修理キットもお手頃価格です。iPhone 12のバッテリーキットは現在45ドルで、バッテリー単体より5ドル高いだけです。(バッテリーの日本への配送はできません。ご了承ください。)
修理を成功させる秘訣は、焦らずゆっくりと作業を進めていくことです。次の作業に進む前に、画像と自分のデバイスを照らし合わせて確認してください。どのように解体していくかを理解しながら、修理に取りかかりましょう。
うっかり忘れていたケーブルを引っ張ってコネクタを破損してしまうなどということがないように、慎重に、根気よく進めていくことが、結果的に最短の修理につながるのです。
丁寧に根気よく作業をすれば、うっかりケーブルを引っ張ってコネクタを破損してしまうことがなく、結果的に最短で修理が完了します。
次に進む前に、バッテリーを長持ちさせるヒントをご紹介します。最近のデバイスに使われているリチウムイオンバッテリーは、充電サイクルに上限があります。充電と放電を繰り返すのがバッテリーの本質であるため、仕方のないことですが、そのストレスを軽減することはできます。
バッテリーは熱が苦手で、満タンや空っぽの状態も嫌がります。これらをできるだけ避けることをおすすめします。例えば、デバイスが熱い状態で充電するのは絶対にやめましょう。熱として大量のエネルギーを浪費するしてしまう「ワイヤレス」Qiチャージャーの使用を避けるということです。
例えばノートパソコンをモニターに繋いだ状態にしておくと、バッテリーレベルが常に100%付近にあり、バッテリー駆動時間が短くなります。MacBookはこのような動作を検知して、バッテリー容量を80%に制限して、バッテリーの状態をより良く保ちます。Macのバッテリー容量をさらに上手くコントロールしたいなら、Al Denteというアプリを使ってみてください。(私はこのAl Denteを使っていますが、おすすめです)。最大充電量を制限したり、バッテリーメーターの再キャリブレーションを行ったり、一定の割合で充電と放電の繰り返しを制限する「セーリングモード」を使って、正確にバッテリー残量を保つことができます。
Windowsでは、一部メーカーがバッテリーの充電を制限するツールを内蔵しています。メーカーのサポートページを確認する必要がありますが(有用性にはばらつきがあります)、いくつかの便利な情報を紹介します。
スクリーンの交換
発生頻度が高い修理といえば、携帯電話やiPadのスクリーンの交換です。これはスペースと重量を節約するために様々なパーツが接着剤で固定されているので、作業の難易度は上がります。それでもなんとか成功することができます。あなたが完全モジュールのFairphone 3を持っていたとしたら最高です。バックカバーを外して、プラスドライバーを掴めば、5分から10分ほどの時間で全ての作業が完了するはずです。

iPhoneやiPadの場合、作業はより複雑となり、正しい工具が必要で、1-2時間の余裕を見ておきましょう。それでも、プロに頼むよりは早いでしょう。さらに大切なのは、DIY修理の重要なプラスポイントであるデータの安全性を確保できることです。
携帯電話やその他のコンピュータには個人情報が詰まっており、修理業者に渡すリスクも伴います。もしロック解除を求められたら、端末を渡す前に完全にデータを消去することをおすすめします。そのためにバックアップと、そのバックアップから復元するための時間が必要です。DIY修理では、そのような心配は一切ありません。
またiFixitではGoogle PixelからiPhone 12 Pro Maxまで、あらゆるモデルに対応したスクリーンの修理キットも用意しています。
液体の損傷を修復する(そして避ける)方法
もう一つ起こりやすい、大学生活の定番といえば液体によるアクシデント、別名”ビール事件”が挙げられます。液体は、機器の内部に素早く広がり、ショートさせる可能性もあるため厄介です。これはデバイスの死に繋がってしまうこともあります。ベストなアドバイスは、ノートパソコンと一緒に飲み物を机の上に置かないことです。しかし避けられない事態が起きたときは、できるだけ早く電源を切ってください。以前、携帯電話やパソコンに取り外し可能なバッテリーがついていた頃は、簡単に対処できました。一方、最近の電子機器は防水仕様のものが多くなっています。
デバイス内部への液体浸入が疑われる場合、早急に電源を切り、液体ダメージのための修理ガイドを参照してください。
大学時代、Amigaのパソコンに赤ワインをこぼしたことがあります。(ここで一言、大学を卒業したのは少し前の話です…) 電源を引き抜いて、すぐに量販店に持っていきました。店の人は一目見て、プラスドライバーでデバイスをこじ開けて、メイン回路基板を外して、これをトイレへ持っていって洗い流しました。基板をラジエーター付近に置いた後、週末にまた来るようにと言いました。
この修理方法は多くの指摘ポイントがありますが、これはこれで作業は完了し、マシンはその後何年も機能しました。しかし水道水は、電子機器にとって最適ではありません。腐食やショートの原因となるので、高濃度のイソプロピルアルコールをお勧めします。私たちのiPhoneの液体浸水ダメージからの修復ガイドを参照してください。
液体侵入の修復は時間がかかり骨の折れる作業ですが、最初に水しぶきを浴びて何も問題なく、電源を入れる前にすべてのパーツをきちんと乾燥させる忍耐力があれば問題ありません。たった一つだけアドバイス:友達が何と言おうと、お米の中に入れないでください。効果はゼロです。もしお米が空気中の水分を吸収するなら、お米は既に水浸しになっているはずです。
Reduce (削減), Repair (修理), Reuse (再利用), Recycle (リサイクル)
修理に伴うもう一つの重要な点は、修理しないことです。—直接的な修理はしないということです。携帯電話やノートパソコンなどのテック製品を買い換えるとき、古いデバイスを引き出しの中に放り込んで忘れ去らないようにしましょう。
もしかすると新しいデバイスの緊急DIY修理に備えて、古いノートパソコンをバックアップとして持っておく必要があるかもしれません。その場合はバッテリーの充電量を容量の真ん中か少し上くらいにしてシャットダウンし、保管しておきましょう。
それ以外のものについては、手放しましょう。学生仲間やオンラインマーケットプレイスで販売できますし、誰かに譲ることもできます。家族が一番理想的ですが、知人でノートパソコンを必要としている人がいれば誰でも構いません。ノートパソコンは個人でも団体でも寄付できます。ただし譲渡の前に、必ず個人情報を消去しましょう。
今使っているデバイスを最大限活用しましょう。コンピュータの寿命に関わるエネルギーの大半は、その製造過程と配送で消費されます。Apple発行の製品環境報告書によると、MacBook Air M1のライフサイクルCO2排出量の内訳は、76%が製造時、8%が輸送時、そして15%がユーザーの使用時に排出されます。デバイスをより長く使い続ければ、新しいデバイスの製造と出荷量を抑えることができます。
最終的にこれ以上使えない状態になったら、E-wasteのリサイクルセンターに持ち込むことになります。しかし、その時期を遅らせれば遅らせるほど環境に優しいのです。
これまで見てきたように、修理はあなたのテック製品をより長く使い続け、次のユーザーに渡すための鍵です。同時に修理は意外と簡単で、人によっては楽しい作業です。
翻訳: Midori Doi
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