またしてもAppleで働く友達は、修理のこととなると八方美人なところが見え隠れします。まさにAppleが欧州内でセルフサービスプログラムの開始を発表した同じ週に、カリフォルニアではソフトウェアによる修理の妨害やサードパーティーの部品を使用できなくしていると非難されました。

フランスの環境保護団体HOP(Halte à l’Obsolescence Programmée:「計画的陳腐化防止プログラム」)が提起した訴状によると、Appleが導入している部品のシリアル化(別名「パーツペアリング」)を対象としています。HOPはスクリーン、バッテリー、カメラなど頻繁に交換される部品にパーツペアリングを導入すると、「メーカーは修理の可能性を制限することが可能になり、とりわけ一般修理業者に対する修理の窓を閉じてしまう」と主張しています。
この訴訟は、企業がより多くの製品を販売するために意図的に製品寿命を短くすることを禁止するフランスの法律(米国には存在しない法の壁)に基づくものです。
Appleが環境への取り組みを自負している今日、私たちがするべき役割は、同社が実際に生み出しているスキャンダラスな廃棄物を明らかにすることです。
—Laëtitia Vasseur,HOP共同創設者兼、総代表
このケースは相違が浮き彫りになっています。AppleはiPhoneやMacの部品を提供する「セルフリペアサービス」を立ち上げる一方で、自社製品の修理に対する立ち位置は、非常に複雑で歓迎されていないようです。米国内の州や連邦政府が修理する権利を審議する時、これを阻止するロビー活動に資金援助をしている企業がAppleです。また修理に対するAppleの公式見解は煩わしいもののように聞こえることが多くあります。
Appleのセルフサービス修理プログラムは、一歩前進したとはいえ、「ユーザーフレンドリー」とは程遠いものです。このプログラムを利用したいユーザーは、高い部品代と不可解なオプションが課されます。例えば「修理サービスプログラム」のツールをレンタルするには1200ドルの保証金を支払えば、32kgもあるプロ用修理機器が発送されます。さらにApple純正の部品を使った修理をしても、ユーザーは交換した部品の「認証」をAppleから受けなければなりません。この認証がなければ、煩わしいメッセージ表示が続き、機能の低下を回避できません。
これはiFixit などのサイトやリペアカフェ、Fixit Clinicなどの草の根団体に代表される、修理コミュニティの「あなたにもできる」という精神とはまさに対極にあるものです。
Appleが修理プログラムの需要を最小限に抑えようとしているのは偶然ではありません。修理の専門家でなければできないことのように思わせて、修理がメインストリームにならないよう防衛しています。つまり修理の存在をあいまいにしておけばお金は入ってきます。Appleが始めた「修理側に立つ」という新たな姿勢は、アンチ修理派であると疑われないための見せかけにしか思えません。
もしAppleがDIY修理やデバイスの再メンテナンスを妨害するのなら、このような時代錯誤で無責任な違法行為には、正義を持って立ち向かわなければなりません。
—Samuel Sauvage , co-founder of HOP
米国には計画的陳腐化を禁止する具体的な法律はありませんが、連邦取引委員会(FTC)のLina Kahn委員長のリーダーシップの下で、問題のあるビジネス商法を阻止しています。委員会の2021年の報告書「Nixing the Fix」では、Appleが様々な修理禁止行為について非難されています。修理する権利の法案が提出されている州および連邦政府では、Appleのような製造メーカーに対して修理に必要な部品や修理情報、ソフトウェアをユーザーや独立系修理テックが利用できるようにすることを強制するものです。
その他の修理する権利に関するニュース
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- 農機具メーカーのJohn DeereとAFBFはJohn Deereのカスタマー・サービス・アドバイザーというソフトウェアへのアクセスを提供し、ある農業機器の修理を支援する覚書に調印しました。しかしながら、この協定によりJohn Deereの農業機器の修理がより容易になるかどうかは不明です。
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- 毎年1月になる、ラスベガスで恒例の最新電子機器の祭典「Consumer Electronics Show(CES)」が開催されます。主要メディアは薄型テレビに熱狂しますが、2023年のCESワースト賞も見てみましょう。この賞はCESで展示される新製品の中から、最も修理不可能で、最もプライバシーを侵害し、サイバーセキュリティに問題があり、最も不必要なものにスポットを当てるものです。
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- NBC (米国の最大TVネットワーク)は修理する権利を「2023年で最もホットな消費者トレンド」と報道
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- 電気自動車から廃棄されるE-waste
- 環境問題に先進的なカリフォルニア州では、電気自動車への移行が進んでいますが、電気自動車を廃車処理するためのインフラが不足しています。リチウムイオン自動車バッテリーリサイクル諮問委員会といったグループは、これに対応するための政策提言を提出しています。
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- Louis Rossmann氏が公開した新しいビデオでは、最近NY州で可決されたDigital Fair Repair Act(デジタル公正リペアアクト)について抱く懸念、主にメーカーが「安全性」を利用できるようになることで、ユーザーへの部品提供が差し押さえられる論拠を解き明かしています。
- 技術者不足に対応できるのは修理
- No-Till Farmerウェブマガジンのオピニオン寄稿によると、修理する権利は農家を支援するだけでなく、トラクターなどの技術者不足にも対処できると主張しています。
- インドが充電ポートを標準化
- 欧州に続いて、インドが2025年3月よりUSB-Cポートに義務付ける可能性があるとの報道が浮上しています。インド規格局は、このプロセスを開始するための最初のステップを踏み出しています。
- Hochul知事(NY州)はサイバーセキュリティと修理について過ちを犯した。
- Louis Rossmann氏だけが不満を口にしているのではありません。ITとサイバーセキュリティを専門とするSecuRepairsは、修理する権利を支持するしています。彼らは、Hochul州知事が電子業界のロビイスト側に付いて、修理を目的としたデジタルロックの解除に必要なキーの提供を要求する文言を削除したことを非難する声明を発表しました。(注:F2Rの編集者ポール・ロバーツはSecuRepairs.orgの創設者です。)
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